何かが道をやってくる

旅と読書の最適化。メモがわりに。

米国人博士、大阪で主婦になる。

米国人博士、大阪で主婦になる。 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-11)

米国人博士、大阪で主婦になる。 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-11)

壮大なラブレターじゃないかあぁぁ、と思いながら読んでたし、恋愛関係が深まってからの心と生活の変化への戸惑いがとても生々しくて、購入当時外国にいる人が恋人になるかもしれなかった私はドキドキしながら読んだもんです。
結婚を機に外国暮らし、という話は今では珍しいものではないけれど、①キャリア女性の ②結婚なんてしないと思っていた ③核家族なんてもってのほか の人が、の話である。恋愛体質の外国人大好き女性の話とはわけが違う。
私自身仕事をしている(大した仕事ではないけれど)ひとりの人間として、仕事を手放して、夫しか頼る人がいない環境へ移る恐怖はよくわかる(と思う)。今まで積み上げてきたことがゼロになるわけだし、でも今までのことがあったからこそであった人だし。でも仕事より、この人が本当にほしいものかもしれない。悩むよなあ。著者が繊細で機微に富んだ人だから、この過程を文章にできたわけで。
いじわるなアンチフェミからしたら、「ほーら やっぱり女は結婚して家に入るのが幸せじゃないか。」とか言われそうだけれど、他人に何を言われようと自分のほしいものを手に入れた人は強いのである。
外国の人と結婚した系の本で大好きなのが「トルコで私も考えた*1のシリーズで、こちらは恋愛とか内相的な表現はほぼないけれど、恋愛~結婚~出産~日本でレストラン経営までの過程で、愛情深いトルコ(と日本)への洞察が楽しい本です。あとご飯がすごくおいしそう。
ていうか、米国人博士~もトルコで私も~も落ちるつもりもなく恋に落ちて、人生が一変しちゃってる?! 恋愛って怖くない?!

*1:

トルコで私も考えた―トルコ入門編 (集英社文庫)

トルコで私も考えた―トルコ入門編 (集英社文庫)